【2】メディア・リテラシー教育の必要性
ということで,今日の講演内容【2】メディア・リテラシー教育の必要性っていうところに入っていくわけなんですが。では,ここにいる中学生のみなさんにプリントにある質問に答えてもらいましょう。

1番
あなたは次のことを1日どれくらいの時間,していますか?
(参加者の中の中学生が回答)
ア)食事をする…
30分から1時間
イ)道を歩く…
30分から1時間
ウ)TVを見る…
3〜4時間
これ,平均的な回答です。中にはTVは5時間以上という場合もありますから。

では2番
あなたは次のことを誰かに教わってきちんと知っていますか?
ア)食事の仕方…「良く噛む」「好き嫌いしない」「後で歯を磨く」箸の持ち方,等
イ)道の歩き方…「人は右側」「横断の時は左右を見る」「赤信号は止まれ」,等
ウ)TVの見方…「演出と事実を混同しない」「ニュースも鵜呑みにしない」,等

(参加者の中の中学生が回答)

ア)は教わったことがありますか?
「あります」
イ)は?
「あります」
ウ)は?
「あります」
ウも教わったことあるの?偉い!さすが金浦小学校卒業生だ。普通はこうはならず,ア・イが「ある」,ウが「ない」という回答になるんですよ。

この質問1,2から分かることは,TVとの付き合いは子どもたちの一日の中で圧倒的に時間をかけてやっていることなのに,その方法はだれも教えたことがないじゃないか。何でこんなエアポケットが発生しているんだろう,というのが今の状況です。

今の情報の受信・発信の教育は,20世紀で言えば受信は「読み」発信は「書き」,「読み書き」教育に当たる。新しい時代の読み書き教育なわけです。20世紀,今のような学校制度ができた明治時代の始めから読み書きそろばんに力を入れて主軸にしてやっていたように,これからの21世紀の教育は情報の受信・発信を主軸に据えてやっていかなければならない。その教育のことを『メディア・リテラシー』と,カタカナで煙に巻く場合はそのように呼んでます。これは趣味や選択の問題ではなく,急いでやらないとまずいんじゃないの?と私は思って,あちこち飛び回っています。
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