【4】実践事例報告(その1) @『メディア・リテラシー教育』先進国・カナダの現地取材報告(ニュース23) ![]() さて実践事例報告ですけれども,ここまでは理屈っぽいことを言ってきましたが,こういう教育の必要性・可能性を感じた人が,今世界でどんなことをやっているのかということをいくつか御紹介します。メディア・リテラシー教育が今世界で一番進んでいる国という触れ込みでよく引用されるカナダの現地報告,私がTBSに,辞表を出す日にやったリポートです。これを最後にやめようと決めていた遺言みたいな作品なんですけど,これも10分くらいですので,ちょっとご覧ください。 (カナダのメディア・リテラシー教育についてのリポート視聴) これですね,今スタジオで草野満代キャスターが紹介したのは(と,本を手に持って紹介)。こんなものも存在します。 A視覚的ビデオ教材の作成(うっきうきテレビ探検) 今カナダの例を御覧いただきましたけども,今日本でも次々にこういう試みが始まっています。 一つ,総務省が去年,お茶大の無藤研究室に委託して作ったビデオ教材をちょっとだけ見ていただきたいと思います。 (「うっきうきテレビ探検」視聴) この調子でずっとビデオが続くんですけど,今のは一つのサンプルですけれども,ああいうふうにちょっとだけ例を作るとすごく分かりやすくなるんですね。教室の隅を撮ると大勢座っているように見えるけど,ビューッと引いて撮ると他の場所には座っていないということが分かる。ああいうビデオだったら各学校でも先生方が素人ビデオとして作れるんですね。ああいうものを作って,みんなに,ああそうか,と言うことを視覚的に分からせていくっていうことは,統一的な教材がまだ少ない今の段階では大変有効だと思います。 B夏季講座「夏休みビデオ絵日記を作ろう」 それから他にもたくさんいろんな取り組みがあります。3番目に紹介しているのは,今年の夏休みに横浜の市民グループ,これはお母さん達の全く自主的な集まり,『子育てしゃべり場』が自主的に開いた「夏休みビデオ絵日記を作ろう」っていう夏季講座です。インターネットで募集をかけて集まった人たちに対してやったんですけども,私のWebページにその時の様子を載せています。(このページ,下村健一というキーワードで検索していただくと出ます。)実際の動画でこの「アイディア貯金箱に挑戦」という作品そのものが見られます。その後さらにチェックポイントをクリックすると,ここに書いてあるようなチェックポイントがそれぞれどの映像部分に該当するのかっていうのを,ああなるほどというふうに見ていくことができるようにしています。 こういった取り組みで,このときは6歳の男の子から小学校6年生ぐらいまでが参加して,作品をみんなでわいわい見ながら作ったんですけれども,特別な設備は一切使ってません。家庭用のビデオカメラは使っていますけど。編集機とかそう言うものは何も使っていません。コンピュータの編集ソフトも使っていません。とにかく最初にこういう組み立てで行こうと決めたらば,その順番で撮っていく。で,失敗したらそこだけ巻き戻してもう一回撮り直す。それだけです。ナレーションも後から付けるんじゃなくて,入れたかったら撮りながらブツブツブツブツしゃべるんです。BGMを入れたかったら,横でカセットデッキで音楽をかけながらこうやって撮ってね。そういう方法を工夫していろいろ駆使すれば,何も特別お金をかけることはないんですよ。「お金を使うより頭を使おう」って私書いてますけど,知恵さえ使えば今お宅にある設備だけでかなりのことはできる。で,それだけでも自分で情報を発信する体験はできちゃうんで,テレビの見方は変わってきます。そんな試みがあります。 |
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